2008 Fiscal Year Annual Research Report
崩落岩塊群の長距離運動機構の解明と数値モデルの構築
Project/Area Number |
18681028
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
岡田 康彦 Forestry and Forest Products Research Institute, 水土保全研究領域, 主任研究員 (50360376)
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Keywords | 岩塊崩落 / 長距離運動 / 数値モデル |
Research Abstract |
岩塊個数125個(5×5×5)ならびに343(7×7×7)個の実験において、飽和させるための水量を通常の飽和試験の約4倍に増やした条件下で岩塊群の流下実験を実施したところ、崩落前後の重心間の縦断距離が1.2倍から1.5倍程度にまで増大した。流下させる水量を多く与えたために、崩落する岩塊が水中に存在する時間が長くなりより大きな浮力が働いたこと、多くの水が流下する際の揚力が増大したことが主たる原因と推定された。一方、飽和させる水に、細粒土砂を多く含む火山灰を混合した条件での実験では、重心間の縦断距離の増加は認められなかった。岩塊群の流下運動においては、細粒土粒子が水と混合するには至らず、水の見かけの密度増大には至らなかったためと推定された。 3次元個別要素法を用いて、岩塊群の流下挙動を推定するモデルを構築した。岩塊ブロックモデルは、乱数を発生させることにより大きさをある一定値以内で種々に与えた球形の要素を8個剛結することにより作成した。実際の岩塊崩落実験と同様の条件を数値的に再現し、岩塊ブロックモデルを流下させた。その結果、実際の崩落実験と同様、数値実験においても岩塊ブロックモデルの個数が増加するにつれて重心間の縦断距離が短くなる結果が得られた。これらから、規模が最大1m^3程度の岩塊群の流下運動においては、岩塊が流下する際の非弾性衝突によるエネルギー散逸を主たる要因として、岩塊個数が多い流れでは重心間の縦断流下距離が短くなることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)