2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18681033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 正泰 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (60372554)
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Keywords | バイオインフォマティクス / ケモインフォマティクス / ケミカルゲノミクス / パスウェイ解析 / ゲノム |
Research Abstract |
本研究は、代謝反応パスウェイのうち未解明のまま残されている部分、すなわち、薬物や環境因子などの細胞にとって通常外来物質と見られる化合物の代謝反応経路、および、植物の二次代謝産物の生合成経路などについて、代謝反応に関するケミカル情報を的確に表現する手法の開発、それら新しい知識をデータベースとして体系化する作業とデータの計算機的利用法の開発、酵素反応データに基づいた代謝経路の予測法の開発を行うことを目的とする。 平成19年度は、昨年度開発したアルゴリズムを用いて、酵素反応における基本的な反応知識ルールとして抽出した原子変換パターンのデータをサーバー上でライブラリ化(データベース化)するとともに、代謝パスウェイ全体に渡って統計を取るなどの処理によって、生体内において生物がより好んで用いる酵素反応セットの導出に関する解析を引き続き行った。また、酵素反応ルールとしてライブラリ化しておいた情報を、互いに組み合わせることによって、生体内パスウェイを再構成するためのアルゴリズム開発を行った。これは、酵素反応ステップを計算機的に模倣することによって実現可能であり、具体的には、与えられたクエリ化合物構造(特に外来化合物や二次代謝産物)に対して、前述の酵素反応ルール(原子変換パターン)を逐次適用し、次の候補化合物構造を得る一連のプロセスを自動化する。これには膨大なグラフ計算を必要とするが、一般にこのようなグラフの計算は組み合わせ的に解空間が広がることが分かっており、サーバーの増強だけでは十分に対応できるものではない。そこで、同時にこの問題特有のヒューリスティクスの探索を行い、計算量の減少を可能にする手法として、既知の代謝パスウェイに似たパスウェイを候補パスウェイとしてなるべく採用するためのスコアリング関数の開発を行った。
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