2006 Fiscal Year Annual Research Report
シンセティック・バイオロジーによる人工RNP複合体及びシステム進化系の構築
Project/Area Number |
18681034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 博英 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (20423014)
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Keywords | シンセティックバイオロジー / リボザイム / 試験管内進化 / RNA / RNP |
Research Abstract |
近年、生体分子や遺伝子ネットワークを「再構築」することで、生命システムの理解を目指し、新しいバイオテクノロジーの誘発を目指すSynthetic Biologyが注目を集めている。我々のグループでは、RNAやタンパク質を分子デザインのためのモジュラー・ユニットとして利用することでSynthetic Biologyの新たなツールを開発し、生命システムの理解・制御に応用することを目指している。本年度は、(1)新規人工タンパク質創製技術を利用した、癌細胞アポトーシスネットワークの制御、(2)分子デザインと試験管内進化の融合技術(Design and Selection)を利用した、機能性RNA/RNPの研究を進めた。 (1)天然タンパク質のペプチドモチーフを人工タンパク質上に再構成する「モチーフ・プログラミング」技術(Saito et al.,Nucleic Acids Res,2007)を用いて、細胞死抑制型Bcl-xL、および促進型Noxa由来4つのBH1-4モチーフを基盤とした人工タンパク質ライブラリーを作製した。単一のライブラリーから抽出した28個の人工タンパク質の中には、アポトーシスの誘導/抑制といった、逆の機能をもつクローンが含まれていた。このことは、タンパク質相互作用により形成されるアポトーシスネットワークの進化に、ペプチドモチーフが重要な役割を果たしたことを示唆している。 (2)これまでに本研究代表者らのグループでは、Design and Selection技術により、二つのRNAを連結する人工RNA酵素(リボザイム)を創製した。このRNA酵素は、RNAの構造や基質認識部位を規定するモジュラー・ユニットと、触媒ユニットから構成される。本年度は、RNAエンジニアリングにより、様々な基質特異性をもったtrans型RNAリガーゼの取得に成功した。
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