2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ変調構造磁性体における超スピン伝導とスピン量子物性
Project/Area Number |
18684021
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
斎藤 英治 Keio University, 理工学部, 講師 (80338251)
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Keywords | スピントロニクス / スピン流 / ナノ磁性体 |
Research Abstract |
次世代情報技術を支えるスピントロニクス技術の進展の鍵を握るのは、スピンの流れ即ち「スピン流」の物理の解明・利用である。本研究は、スピントロニクス現象の随所に現れるスピン流・超スピン流の測定を行い、スピン流に基づいたスピン量子物性を開拓・究明するものである。本年度は、スピンポンプ及び不均一磁場・磁気構造によって生成されたスピン流を逆スピンホール効果によって調べた。 Pt系のみならずその周辺物質(Pt,Pd,Au,Al,Cu及びそれらの合金)をも系統的に調べ、スピンホール効果・逆スピンホール効果の物質依存性に関するデータを得た。また、前年度発見したスピントルクメーター効果を利用することでスピンポンプによるスピン流を定量化した。その結果、Ptのスピンホール効果によって生成されるスピン流そのものの定量化にも成功し、アモルファスPtのスピンホール角0.01を得た。更に、強磁性共鳴と共鳴起電力スペクトルの同時測定により、磁場を膜面から外れた方向に印加してスピン分極方向とスピン流空間方向の成す角度を系統的に制御した実験を行い、逆スピンホール効果のスピン分極方向依存性を全方位角度について明らかにした。また、不均一スピンダイナミクスによって生成されるスピン流を観測するため、局所マイクロ波励起を行い、逆スピンホール効果によるスピン流起電力を測定し、スピン流とスピン依存伝導度との関係を明らかにした。
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Research Products
(12 results)