2006 Fiscal Year Annual Research Report
衛星搭載型多波長可視赤外センサーを用いた雲不均質性の推定
Project/Area Number |
18684025
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中島 孝 東海大学, 工学部, 助教授 (70408029)
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Keywords | アルゴリズム / 気候変動 / 大気現象 / リモートセンシング / 雲物理 / エアロゾル間接効果 |
Research Abstract |
1,研究の背景と目的 本研究は、地球温暖化等の将来予測において最大の不確定要素となっている雲や大気中微粒子の振る舞いについて、人工衛星搭載センサのデータ解析から明らかにすることを目的としている。今年度の研究では、下記のような実施内容を策定し、当初予定していた成果を上げることができた。 2,研究計画実施内容とその結果報告 米航空宇宙局NASAの地球観測衛星TERRA搭載MODISセンサデータから広域の雲特性を解析する為のアルゴリズムの改修と、大量のデータを効率的に解析するためのシステム開発を計画し、実行した。また、開発したアルゴリズムと解析システムの整合性を確認し、自動化処理スクリプトを稼働させ、1ヶ月程度のデータ解析を行うことを目標とし、予定通り達成された。 3,研究成果 計算機システムの構築では、計算機サーバ(Xserve)に7TbyteのRAIDディスクを接続し、VPNネットワーク上に配置した。サーバとディスクの整合性の調整に時間を要したが、ほぼ予定通り稼働させることが出来た。自動解析スクリプトの開発も順調に進められ、2006年末頃から解析を開始し、当初目標の1ヶ月分のデータ解析を完了した。計算によって得られた解析画像からは、大陸や沿岸領域における水雲の雲粒半径が、エアロゾルの間接的影響によって小さくなっている現象が明確に確認でき、科学的にも妥当な結果であると言える。今後は、数年単位の長期にわたる雲特性解析を行い、気候変動予測に於ける雲とエアロゾルの不確定性の軽減に役立てる予定である。今年度の研究成果については、日本気象学会、SPIE学会等の国内外の学会において発表する予定である。
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