2006 Fiscal Year Annual Research Report
超小型衛星搭載を目指した高安定度ファブリペロー干渉計の開発
Project/Area Number |
18684026
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 一朗 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (10311169)
|
Keywords | ファブリペロー干渉計 / 小型衛星 / 惑星大気光 / 惑星探査 |
Research Abstract |
1.異種材質間のオプティカル・コンタクトの検証 合成石英同士のオプティカル・コンタクトで必要な面精度を確認した。コンタクトした基板(面精度λ/20)に5kg重の引っ張り荷重を加え、その耐性を評価した。また、両端で60Kの温度差が生じるように片側の合成石英板を急激に熱し、温度耐性を評価した。この結果から、合成石英同士をオプティカル・コンタクトさせる場合には、λ/20の面精度で十分であるという結論が得られた。 2.面間隔固定型FPIの開発と光学特性試験 面間隔固定型FPIを設計製造し、最後に光学試験を行った。このFPIは合成石英のエタロン板とゼロデュアでできたスペーサから構成されている。両面の間隔が異なる2組のエタロンを重ねることにより(以降タンデムエタロンと略す)、50以上のフィネスを目指した。エタロンはタンデムエタロンの波長分解能(目標値50mÅ)を決め、エタロン1は、エタロン2で生じるフリンジの中から、必要な次数のみを取り出すことができた。 測定値と理論値の比較から、フィネスは両エタロンともに24であることがわかった。エタロン2の半値幅(73mÅ)は目標とする50mÅを達成できなかった。最大の原因はエタロンの平行度による。しかし、今回の開発中に、エタロンの傾度調整をすることで、2つのエタロンの干渉縞を高い再現性で重ね合わせる技術を修得した。 3.FPIの温度試験 恒温槽を用いて温度試験を行った。光源には強度と波長が安定しているHe-Neレーザ(波長6328Å)を用い、干渉縞の撮影にはデジタルカメラを使用した。He-Neレーザの波長のドリフトは、1時間で約0.6mÅであり、エタロン2の波長分解能の実測値73mÅに比べて無視できる。10℃の温度差に対し、どちらも干渉縞の位置が変位しなことを確認した。
|
Research Products
(1 results)