2007 Fiscal Year Annual Research Report
始生代地球における初期生命進化を導いた地質ー生物相互作用に関する研究
Project/Area Number |
18684027
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
高井 研 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 極限環境生物圏研究センター, プログラムディレクター (80359166)
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Keywords | 超マフィック岩 / 水素生成 / 熱水活動 / メタン菌 / 地下生命圏 / 超好熱性 |
Research Abstract |
本研究は,「{超マフィック岩-熱水活動-水素-ハイパースライム}リンケージ(UltraH^3リンケージ)が,初期地球において生命の起源の場を準備し,それに続く初期生命生態系の誕生を導き,現在に至るまでその生態系を支えてきた」とする仮説を,分野横断型研究アプローチによって検証することを目的とする。この目的のために,(1)フィールドワークに基づいたモダンタイプとしての現世の低・中速拡大中央海嶺域における,マントルの不均一性に支配されるUltraH^3リンケージの検証と,(2)実験に基づく現世および始生代の超マフィック岩(かんらん岩,コマチアイト),マフィック岩(玄武岩,ドレライト,はんれい岩)を用いたHltraH^3リンケージの再現と具体的な諸過程の解明を2本柱として研究を進めている。これまでのところ,フィールドワーク及び実験に基づいたどちらの方法論によっても,UltraH^3リンケージの存在様式と諸過程を明らかにする新しい成果が挙がりつつある。 実験に基づいたUltraH^3リンケージの検証実験に基づく検証に関しては,蛇紋岩化に伴う微量元素変動及び生成ガスの迅速定量法の開発と蛇紋岩化高温高圧実験システムを立ち上げた。それらのシステムを用いて,実際の海水を模して塩化ナトリウム,塩化マグネシウム試薬を用いて合成した人工海水を用いた蛇紋岩化高温高圧実験システムを用いた実験を開始し,蛇紋岩化による水素生成を実験的に再現した。 フィールドワークに基づいたUltraH^3リンケージの検証 インド洋中央海嶺かいれいフィールドにおけるUltraH^3リンケージの存在様式が、従来の単純なマントルかんらん岩の海底面への露出に起因する場合(例えばRainbow、Logatochez、Lost Cityといった大西洋中央海嶺の典型)とは大きく異なり、「かんらん石に富んだはんれい岩」のようなホモ遷移帯付近におけるマントルとマグマの相互作用にて特異的に形成される岩石においても形成される場であることを明らかにした。
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