2006 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下における下部マントル鉱物の物性研究と最下部マントルのダイナミクス解明
Project/Area Number |
18684029
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 元彦 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助手 (50401542)
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Keywords | 高温高圧実験 |
Research Abstract |
標記した研究課題遂行のため、先ず初年度である平成18年度においては、高温高圧条件でのブリルアン散乱測定を放射光施設内で測定できるようにセットアップに全力を傾けた。室温における高圧力条件のブリルアン散乱測定については、下記業績にリストアップしたように我々が目指す最下部マントルの圧力条件に限りなく近い約96GPaにいたるまでの結果をマントルの主成分鉱物であるMgSiO3ペロフスカイトについて得ることができた。研究代表者はセットアップにおいて、世界で初めての試みであるレーザー加熱装置を組み込んだ高温高圧ブリルアン散乱複合測定の導入に成功し、今年度末にはレーザー加熱した液体状態の試料からのブリルアン散乱のシグナルを高圧状態において観察することに成功し、同時にX線回析像の取り込みにも成功した。レーザー加熱光学系の構築および温度測定のためのシステムの開発は予定通りの時間スケールで導入することができた。シリケイトサンプルの測定についても予備的実験をいくつか繰り返し、最適な干渉計の条件設定とレーザー出力との関係を綿密に調査し、加熱中のブリルアン散乱シグナルの測定にむけて多く改善を試みている。加熱中の試料の黒色化に伴うシグナルの質の悪化が大きな問題であったが、試料や加熱プロセスの見直し等の調整でいくつかの試料については解決することができた。今後はより高圧力条件におけるレーザー加熱の安定化のための改善をすることにより、良質のシグナルを得ることができると考え目下改善策について検討中である。
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