2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱拡散チェンバ氷晶計を用いた有機物粒子の雲過程における氷晶形成能の評価
Project/Area Number |
18684031
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
持田 陸宏 Nagoya University, 高等研究院, 特任准教授 (10333642)
|
Keywords | 大気化学 / エアロゾル / 氷晶 / 気候変動 / 気象学 |
Research Abstract |
本研究課題で製作した連続流型熱拡散チェンバの性能について、検討を継続した。検討は、チェンバを構成する銅製の内筒・外筒の温度ならびに二筒間の温度差を変化させ、一方、チェンバに導入する試料空気およびシース空気の流量を、ほぼ一定値に維持した条件で行った。チェンバの内筒・外筒の温度は、熱電対(8箇所)および測温抵抗体(4箇所)を用いてモニターした。熱拡散チェンバに導入するエアロゾルとしては、(屋外の大気エアロゾルと同じく)固体の成分を含むと考えられ、氷晶の不均一核生成が期待される実験室内の空気を用いた。 熱拡散チェンバを構成する筒に取り付けられた熱電対・測温抵抗体から得られる温度の読み値には、同じ筒のものであっても無視できない大きさの差異が認められた。このことは、各読み値の差異に対する熱電対・測温抵抗体の精度の寄与と、温度変化の応答の遅れなどから生じる場所ごとの実際の温度の差異の寄与について、詳細な検討の余地があることを示している。また、銅製の内筒・外筒の表面に形成させた氷の厚さは、現在よりも薄くすることが可能であると考えられ、これにより氷の表面温度の制御の信頼性を高めることに繋がると考えられる。 これらの実験の結果をふまえ、熱拡散チェンバの正確な制御を骨指した検討を今後も継続し、本研究の計画を発展させた形で、連続流型熱拡散チェンバを用いたエアロゾル粒子の氷晶核形成能力の研究を進めていくことを予定している。
|