2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー衝撃圧縮下の比熱比γコントロールと新物質創成
Project/Area Number |
18684901
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 典雅 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (70432515)
|
Keywords | 高強度レーザー / 衝撃波 / 極超高圧 / ポストダイヤモンド / 低エントロピー圧縮 / 速度干渉計 / 放射輝度温度 |
Research Abstract |
高強度レーザーショックでのみ実現する物質極限環境において、最も単純な"ユゴニオ状態"から外れた高圧力・低温度を生成するための新制御法の実証と、この領域で全くなされてこなかった実圧縮中の高精度その場計測及び試料回収・解析を目指して、平成20年度に以下のような研究を行った。 衝撃波反響を用いると、物質の温度上昇を抑えて圧力を上げることができる。衝撃波を反射するためのアンビル材(窓材)に要求される特性として、衝撃インピーダンスが高いこと、内部を観察するために透明であること、が挙げられる。金属の炭素が予測されている領域までダイヤモンドを反響圧縮するためには、ダイヤモンドより硬く(高衝撃インピーダンス)透明な物質(誘電体)が必要となる。そこで、新しい高インピーダンス誘電体であるGGGの、TPaを超える衝撃圧縮曲線と光学的特性を調べると共に、ポストダイヤモンド生成のための予備実験を実施した。実験によって、TPa圧力の圧縮曲線がダイヤモンドの衝撃インピーダン琴を大きく上回ることが証明された。また衝撃波反響実験では、1回の衝撃波反射によってダイヤモンドの圧力がおよそ1.5倍に増加したことが示唆された。この実験的知見によって、ポストダイヤモンド状態(1 TPa以上8000 K以下)を実現するための最適条件を見積もることが可能となった。 加圧過程と加圧時間を変数とした試料回収実験を実施した。マイクロ秒、ナノ秒、フェムト秒の衝撃圧縮回収、とナノ秒のランプ波圧縮回収を行って、実時間のその場診断と平行しながら回収することに成功した。職回折構造解析を行い、フェムト秒衝撃圧縮とランプ波圧縮において、これまでに発見されていない結晶構造に起因する回折線を得ることに成功した。
|