2006 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスプレー法ー質量選別光解離分光法による電解質溶液のイオン水和構造の研究
Project/Area Number |
18685001
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井口 佳哉 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30311187)
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Keywords | エレクトロスプレー / 質量選別 / 光解離 / クラスター / イオン / 赤外 |
Research Abstract |
本研究は、従来のイオン化法では生成が困難な電解質溶液中の水和イオンをエレクトロスプレー法によって真空中へと導入し、これを質量選別光解離分光法によってその吸収スペクトルを観測することにより、そのイオン自身の電子構造、幾何構造、およびそのイオンの水和構造を明らかにすることを最終月標としている。この月標に対し平戒18年度は、光解離分光法のための質量分析装置の設計・開発と、レーザーシステムの整備を行った。18年度4月に、質量分析計の基本設計を、リフレクトロンを備えた高分解能飛行時間型質量分析計と決定し、イオン光学シミュレーションソフト、CADソフト等を用いて、真空チャンバー、イオンレンズの設計、真空ポンプの選定などを進めた。その結果、H18年度9月に真空装置の製作が終了し、11月中までに質量分析計として当初目標としていた質量分析分解能が達成されていることを確認した。また、この質量分析計の製作と平行して、光解離分光のためのレーザーシステムの選定と購入手続きを行った。レーザーの機種は、ナノ秒赤外レーザーで最も実績のあるLaserVision社の製品とし、このレーザーを現有のNd:YAGレーザーと組み合わせることにより、その発振に成功した。このレーザーと、前述の質量分析計を組み合わせて用いる事により、テストケースとしてベンゼンクラスターイオンの光解離の信号を確認し、質量選別光解離分光が問題なく行えることを確認した。現在は、この装置と組み合わせるエレクトロスプレーイオン源の設計を行っているところである。 また、この装置開発と平行して、従来の分子線源、イオン源を用いた分光実験も継続して行い、その結果を学術論文に報告した。これらのデータは、エレクトロスプレー法によって得られる結果と比較することの出来る基礎データとして非常に有用であると考えている。
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Research Products
(5 results)