2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18685005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
若原 孝次 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (40303177)
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Keywords | 常磁性 / フラーレン / 炭素クラスター |
Research Abstract |
金属内包フラーレンは、『球面の内側に金属原子を取り込んだ特異な構造』のみならず、金属原子から炭素ケージへの電子移動により空フラーレンとは異なる新規な電子的特性を持つ。これは、金属原子によるフラーレンケージのチューニングであると言える。金属内包フラーレンは新しい材料として非常に注目を集めているが、その生成量の少なさ故に、いまだ一部の研究しか行われていないのが現状である。特に、C60の化学において非常に精力的に行われてきた化学修飾による誘導体の合成に関する研究は未だほとんど行われていない。本研究は、金属内包フラーレンナノロッドの合成を行い、ESR、SQUID及び導電性の測定を行うことを目的としている。本年度は、第一段階として「磁性炭素クラスターの化学修飾による機能化」を検討した。 具体的には、以下の2点について検討を行つた。 1.磁性炭素クラスターの合成 3種類の磁性炭素クラスター(M@C_<82>(M=Y,La),N@C_<60>&Sc@C_<82>,M@C_<82>(M=Ce,Gd))の大量合成を行った。金属内包フラーレンについては、アーク放電法により、N@C_<60>に関しては、グロー放電法により合成する。合成した磁性炭素クラスターは多段階HPLCにより分離精製した。 2.磁性炭素クラスターの化学修飾 合成した磁性炭素クラスターについて、カルベン付加、1,3-双極子付加反応、Diels-Alder反応、光ケイ素化反応等による機能化を検討した。 原料である磁性炭素クラスター及びその誘導体の分離精製を効率よく行うために、備品として分取用HPLCを初年度に購入した。
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