2008 Fiscal Year Annual Research Report
マクロ相及びミクロ分子物性の非熱的同期制御を指向した革新的プラットホームの構築
Project/Area Number |
18685006
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 浩徹 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (60335198)
|
Keywords | 非熱的相転移 / デバイス / レドックス / 金属錯体 / 双安定性 / 光誘起相転移 / 電気化学 / 酸化還元 |
Research Abstract |
本研究は、課題(A)「モジュール化学の展開とレドックス軸を含むバルク相制御」(平成18-19年度)、課題(B)「電荷注入、外場応答制御に向けた集合体の配向制御」(平成18-19年度)、課題(C)「非熱的相転移型デバイスの構築」(平成19-20年度)から構成される。本年度は、分子内電子移動並びにレドックス応答を示す分子モジュールを用いて以下の本研究が目的とした非熱的状態変換を実現した。1) 分子内電子移動を示す原子価互変異性錯体に対し、アルキル直鎖、アルコキシ鎖、含エステル鎖、及び分岐鎖を導入した新規錯体を得るための合成化学を展開すると共に、分子状態とマクロ相が同期的に双安定化する諸現象を見いだした。本研究では長鎖及び分子状態が演じる熱力学的寄与を定量的に解明及び設計することで、分子双安定性と同期した結晶相転移、結晶一液体相転移、多系結晶が示す同期的二重融解挙動、ガラス相を含む同期的双安定性を実現した。また、本成果をもとにパルス光を照射することで、分子内電子移動を誘起することで、3Kにおける光誘起相を発現すると共に、室温及び融点直下におけるシングルパルス光誘起一光結晶融解挙動の実現に世界で初めて成功し、分子状態とマクロ相の非熱的状態変換を達成した。2) また、電気化学的レドックス反応を示す液晶性錯体を得るための合成化学を成熟させ、20種近くの誘導体を合成するとともに、室温から200℃を超える熱安定性を達成することにも成功した、更に、これらレドックス活性液晶の配向制御について各種修飾基盤を用いて最適化すると共に、室温における電気化学的なイオン性液体への可逆的融解にも成功し、上述の光による分子状態とマクロ相の非熱的状態変換に加え、電気化学的な分子状態とマクロ相の非熱的状態変換に成功した。
|
Research Products
(4 results)