2006 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解顕微吸収イメージングシステムによる非蛍光性の生体試料の画像観測
Project/Area Number |
18685008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中林 孝和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30311195)
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Keywords | イメージング / 細胞 / 過渡吸収 / 高調波発生 / フォトニック結晶 / 非蛍光性 / 蛍光タンパク質 / フェムト秒 |
Research Abstract |
本研究は非蛍光性の試料に対するイメージング手法を開発することを目的とし,特に光過渡種の吸収(過渡吸収)と3次の高調波発生によるイメージングについて検討する。本年度は,現有のフェムト秒チタンサファイアレーザーとビームスキャン型の顕微鏡を用いて,過渡吸収イメージングシステムの製作を行った。フェムト秒パルスレーザーの出力光をBBO結晶に導入し2倍波を発生させた後,ダイクロイックミラーを用いて基本波と2倍波を分離する。ポンプ光となる2倍波は遅延時間を調製する自動ステージを通し,光学チョッパーによって1KHzのAC変調を与える。プローブ光となる基本波は購入したフォトニック結晶ファイバーに導入し白色光を発生させる。レーザー光をファイバーに導入するためのファイバーカプラーは,購入したレンズなどを用いて自作した。ダイクロイックミラーを用いてポンプ光とプローブ光を同軸にし,マルチモードの光ファイバーに導入する。光ファイバーの出力を顕微鏡のビームスキャナーに導入し,レーザー光を試料に入射できるように設定する。試料からの透過光をバンドパスフィルターを用いて分光し,光電子増倍管によって検出した。対物レンズ,光ファイバーなどからなる光学系を設計し,透過光の高効率検出を行った。光電子増倍管からの信号は2つに分けられ,片方はDC信号として検出される。もう片方は現有のロックインアンプに入力され,ポンプ光の変調周波数に同期した成分のみを取り出した後,AC信号として検出される。購入した言語ソフトを用いて専用の制御ソフトを製作した。試料はPMMA膜中にドープされたジメチルアミノニトロスチルベン(DNS)を用いた。プローブ光の波長が532nmにおいて,DNSの光過渡種に由来するAC信号を観測することができた。現在光学系の改良を行い,信号強度の増加および生物試料の応用を行っている。
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