2007 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解顕微吸収イメージングシステムによる非蛍光性の生体試料の画像観測
Project/Area Number |
18685008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中林 孝和 Hokkaido University, 電子科学研究所, 准教授 (30311195)
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Keywords | イメージング / 細胞 / 過渡吸収 / 高調波発生 / フォトニック結晶 / 非蛍光性 / 蛍光タンパク質 / フェムト秒 |
Research Abstract |
本研究はフェムト秒レーザーを用いて,新規のイメージング手法を開発することを目的とし,特に光過渡種の吸収(過渡吸収)と3次の高調波発生によるイメージングを行う。本年度は,測定システムの改良と第3高調波発生(THG)によるイメージングについて検討した。イメージ像を得るためのスキャニングについて,ピエゾステージを用いてステージを移動させるステージスキャン型に変更した。その結果,1ms以下の高速測定はできなくなるが,光学系が大幅に簡略化され,光の損失および光軸調製の煩雑さが大きく減少した。また倒立顕微鏡も新たに購入し,ミラー等の交換も併せて行い,高効率にパルス光を試料に入射できるように設定した。過渡吸収については,広帯域の誘電体蒸着ミラーを用い,THGについては,1000-1400nmの領域の光を高効率で反射する誘電体蒸着ミラーを用いた。試料からの透過白色光およびTHG光の補集効率を上げるために,光ファイバーを通さずに直接検出できるようにアダプターの改良等を行った。過渡吸収の測定は,チョッパーを用いてポンプ光にAC変調を与え,ロックインアンプによって光誘起信号を検出する構成とする。THGによるイメージングについては,1100nmの波長のフェムト秒光パルスを発振させ,高感度の光電子増倍管を用いたフォトンカウンティングによる検出系を構築している。PMMA膜中にドープされたジメチルアミノニトロスチルベン(DNS)を用いて性能評価を行う予定である。DNSの可視域の吸収による共鳴効果によって,DNSのTHG光は増強される。そのため増強されたTHG光を検出することによって,染色部分のイメージングを行うことができると考えている。
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