2006 Fiscal Year Annual Research Report
高親水性ポリマーモノリスの開発と分子鋳型法によるタンパク質分離への応用
Project/Area Number |
18685009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 拓也 東北大学, 大学院・環境化学研究科, 助手 (20374994)
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Keywords | モノリス / 高親水性 / 水溶性高分子 / クロマトグラフィー / 選択的分離 / タンパク質 |
Research Abstract |
親水性を有する新規ポリマーモノリスの開発を目的とし,水溶性架橋剤を用いて種々のポリマーモノリスを調製した.調製したポリマーモノリスは,架橋剤や多孔質化溶媒の組成を変えることで,多孔質構造が大きく変化することがわかり,現在最適化条件を検討中である.特に,多孔質化溶媒中の水溶性高分子添加物の変化に対するモノリス構造の変化は著しく,これまでに報告例のない発見であると言える.また,親水性の評価を行った結果,既存の親水性分離媒体と比較して,はるかに高い親水性を示すことがわかり,カラムとしての形成が完成すれば,芯素性化合物の分離に最適であると予想される.しかしながら,液体クロマトグラフィー用のカラムとしての使用には,機械的強度の面で問題があり,更なる検討が必要であると考えられる.現在,多孔質化構造の変化に関する学術論文を投稿中である. さらに,上記検討とは別に,タンパク質を目的物質とした新たな選択的分離媒体開発の検討を行った.分離媒体の合成には,分子インプリント法を基とする手法を取り入れ,水溶性を示すポリエチレングリコールジアクリレートやアクリルアミドを用いた.合成した分離媒体は僅かながら特定のタンパク質(β-グロブリン)に対する選択的認識能が見られた.しかしながら,吸脱着に要する時間が極めて長く,さらに,選択性は従来のアフィニティカラム等に較べると格段に低い.ただ,潜在的な可能性としては,変性することなく目的のタンパクを捕捉することができ,細孔状態,機能性モノマー,重合条件等を最適化することで,実用的な分離媒体の開発が可能になると予想される.
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Research Products
(1 results)