2006 Fiscal Year Annual Research Report
多原理分析法集積化チップに基づく新規マルチ分析法開発と生体試料分析への応用
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18685010
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
久本 秀明 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助教授 (00286642)
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Keywords | マイクロチップ / 角型キャピラリー / イオンセンサー / 酵素センサー / 酵素免疫測定 / 酵素活性アッセイ / 流体制御 / マイクロ分析システム |
Research Abstract |
初年度は下記4つの分析原理を有するセンシングキャピラリーの試作・機能評価を実施した。 (A)イオン認識分子固定化膜に基づく蛍光イオンセンシング (B)固定化酵素に基づくバイオセンシング (C)固定化抗体に基づく酵素免疫測定(ELISA) (D)固定化蛍光基質に基づく酵素活性アッセイ 原理(A)では疎水性高分子膜を用いたイオン検出を試みた。しかしながら、疎水性タンパク類の吸着等が問題となったため、イオン検出用蛍光分子と親水性高分子膜を用いる方法も試みた。その結、果、タンパクが共存する試料溶液でもある程度測定可能であることがわかったが、イオン測定では精度が要求されるため、次年度は新しいセンシング系設計も含めた検討を進める。 原理(B)では、グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼ、蛍光基質を同時に固定したキャピラリーを試作したところ、グルコースに対して蛍光応答が得られ、原理検証に成功した。しかしながら、応答時間に問題が残ったため、次年度、機能改善を図る。 原理(C)では、ヒトいgG系を用い、共有結合で抗体固定したキャピラリーを試作した。その結果、抗原・酵素抗体の導入で抗原濃度検出が可能であることを示せた。この方法は多種試薬溶液の順次導入が必要であるため、次年度はこのプロセスを簡便化するために蛍光検出、共有結合・非共有結合の併用を検討する。 原理(D)では、各種酵素の蛍光基質を含む親水性高分子膜を固定したキャピラリーを試作した結果、簡便な酵素活性検出が可能であった。ここでは原理(A)で検討した4種のイオン検出キャピラリー・4種の酵素活性検出キャピラリー・(計8種)を1枚の基板に埋め込んだチップを試作した。これを測定に用いた結果、イオン選択的錯形成・基質選択的切断反応といった、異なる分析原理の集積に基づいた多種同時検出に成功した。次年度は他のキャピラリー開発を用いたさらなる多原理集積を推進する。
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