2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNA創製の革新的新手法の確立と展開:分子デザインと進化工学の融合
Project/Area Number |
18685020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70281087)
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Keywords | RNA / リボザイム / ポリメラーゼ |
Research Abstract |
分子デザインと人工進化の融合法で創製された新規なRNA酵素(リボザイム)DSLは従来の同種のリボザイムには見られない優れた特性を示す。本研究では、その特性を詳細に解析すると共に、本手法を機能性RNA創製の汎用法として確立すること目的としている。本年度は、DSLに続く、新たな人工リボザイムの創製とその機能解析を目的として研究を行った。 1)融合法による新規入工リボザイムYFLの創製 DSLリボザイムは、分子デザインによって構築されたscaffoldにcatalytic unitをインストールすることにより構築された。このscaoffoldを再び利用し、DSLで用いたものとは異なる反応を触媒できる機能ユニットを構築することを試みた。DSLでRNA-RNA連結反応の脱離基として用いたピロリン酸に変えて、β-ニコチンアミド・モノヌクレオチドを脱離基として利用するリボザイムの創製を試みた。Scaffoldに対して合計45塩基のランダム配列を挿入したライブラリーを構築し、in vitro selection法によって活性の高い配列を選別した。その結果、単一のファミリーからなる配列が選別され、クラスYFLリボザイムと命名した。 2)YFLリボザイムの活性構造を支える相互作用の効果 YFLリボザイムのP3領域に存在する11ntレセプターユニットは反応点を持つPlユニット中のGAAAループと相互作用するよう、そのscaffoldは設計されている。Selectionで得られたYFLリボザイムにおいてもその相互作用が重要であるかを検証した。その結果、11ntR-GAAA相互作用を破壊した変異体は活性をほとんど示さなかった。
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