2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNA創製の革新的新手法の確立と展開:分子デザインと進化工学の融合
Project/Area Number |
18685020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (70281087)
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Keywords | RNA / リボザイム / BODIPY / 蛍光標議 |
Research Abstract |
分子デザインと人工進化の融合法で創製された新規なRNA酵素(リボザイム)DSLは従来の同種のリボザイムには見られない優れた特性を示す。本研究では、その特性を詳細に解析すると共に、本手法を機能性RNA創製の汎用法として確立すること目的としている。本年度は、DSLに続いて創製した新人工リボザイムYFLの機能解析を行った。またそれら機能解析の技術的基盤としてRNA分子と相互作用可能な色素分子とペプチドの創製、RNAの両末端に適用可能な蛍光標識試薬の開発も行った。 1)YFLリボザイムの活性構造を支える金属イオン YFLリボザイムの触媒活性に対する金属イオンの寄与を系統的に解析した結果、YFLリボザイムはMgを特異的に要求する事が明らかとなった。興味深いことに通常ほとんどの天然および人工リボザイムに対してMgイオンの代替が可能なMnイオとはYFLリボザイムに対して不活性であった。 2)YFLリボザイムのRNA連結反応に置ける位置選択性 RNAの連結反応では、天然型の3-5結合の他に、非天然型の2-5結合も可能であり、人工リボザイムのス性においては、その位置選択性が重要なファクターとなる。リボース部位の水酸基を一つ欠失した、あるいはメトキシ基に置き換えた基質を用いてリボザイムの反応性を検定した。その結果、YFLリボザイムは天然型の3-5結合を形成することが明らかになった。 3)放射性同位体を用いずにRNAの機能解析を簡便に行うために、合成の極めて容易なBODIPY色素を利用した、RNA標識用誘導体の合成法を確立した。またそれを用いて実際にRNAの標識を行った所、高価な市販の色素と同等の感度での標識と機能解析が可能である事が明らかとなった。
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