2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNA創製の革新的新手法の確立と展開 : 分子デザインと進化工学の融合
Project/Area Number |
18685020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (70281087)
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Keywords | RNA / リボザイム / デザイン / モジュール |
Research Abstract |
分子デザインと人工進化の融合法で創製された新規なRNA酵素(リボザイム)DSLは従来の同種のリボザイムには見られない優れた特性を示す。本研究では、その特性を詳細に解析すると共に、本手法を機能性RNA創製の汎用法として確立すること目的としている。本年度は、ターンオーバー型リボザイムの機能解析および、昨年度に続き、新人工リボザイムYFLの機能解析を行った。 1) ターンオーバー型リボザイムの機能解析 自己修飾型リボザイムを合理的設計により、基質ユニットと酵素ユニットに分割し、ターンオーバー能力をもつトランス型リボザイムへと改変することに成功した。さらに二つのユニットを特異的に会合させる部位を最適化する事を試みた。その結果、もっとも良い結果を与えた改変体は、基質に対して1/1000の酵素ユニットの存在化でも反応が進行し、そのターンオーバー数は400を超える事を見いだした。 2) YFLリボザイムの触媒ユニットの最適化と構造解析 YFLリボザイムの触媒ユニットをin vitro evolutionにより快適化する事を試みた。その結果3つの変異が性能向上に寄与する事を見いだした。これら三つの変異を同時に導入した変異体では、オリジナルのYFLリボザイムより、反応の最終収率が顕著に向上した。この結果は、これらの変異がリボザイムが活性な立体構造を正しく形成するプロセスに寄与している事を強く示唆している。 構造形成能力の向上した変異体を用い、DMSによる化学修飾実験を行い、触媒ユニットの構造を実験的に検証した。その結果は、in vitro evolutionの配列比較から推定された構造と一致した。
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