2006 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学その場ラマン分光によるオキサイドケミストリーの新展開
Project/Area Number |
18685021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 隆 東北大学, 学際化学国際高等研究センター, 助教授 (40302187)
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Keywords | その場ラマン分光法 / 電気化学エネルギー変換デバイス / 電極界面反応解析 / 酸素還元反応 |
Research Abstract |
未来のエネルギー開発に密接に連携しながら,当該研究課題である,学術的・工学的に重要な酸素還元反応に着目し,オキサイドケミストリーの詳細を解明し,活性酸素種であるスーパーオキサイドイオン(O_2^-)やパーオキサイドイオン(O_2^<2->りの詳細を描画することが可能となってきている.特に,スーパーオキサイドイオンやパーオキサイドイオンをラマン分光法にて捕らえることに成功しており(Itoh et al.,Faraday Discussions132(2005)1-15),オキサイドケミストリーの詳細を描き出しつつある.さらに,酸素還元反応がキーテクノロジーとなっている燃料電池の領域にも研究領域を広げ,応用を念頭においた研究を推進している.Faraday Discussionsで発表された論文は,英国科学会のインターネット上におけるトップ1%のダウンロード数を占め,分光学的な手法によるオキサイドケミストリー解析の重要性と実験結果の妥当性に対し大きな反響を呼んでいる.次年度以降,解析の幅を広げた実用に即した電気化学的界面における反応解析を推進し,電気化学エネルギー変換デバイスや分子エレクトロニクス材料,燃料電池等への応用を念頭においた反応解析を進める.本年度新規購入した電気化学分光解析装置の立ち上げも順調に進んでおり,赤外吸収スペクトルの測定やフーリエ変換を行ったラマンスペクトルの測定に成功している.今後,これらの装置を使った電気化学計測を組み合わせたその場分光測定が可能となると期待することができる.
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