2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学その場ラマン分光によるオキサイドケミストリーの新展開
Project/Area Number |
18685021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 隆 Tohoku University, 学際科学国際高等研究センター, 准教授 (40302187)
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Keywords | その場ラマン分光 / 酸素還元反応 / その場赤外分光 / 吸着反応 / 燃料電池 / 分光電気化学 |
Research Abstract |
当該年度は,炭素電極界面における単分子層程度の吸着分子に関連した研究を遂行した.吸着単分子層に起因するラマンスペクトルの測定に成功し,そのラマン線は電気化学的な電位に依存するという非常に興味深いデータを取得することができた.この結果を導き出すことが可能となったのは,現在進行中であるその場ラマン分光系の超高感度化を進めたことが大きく影響しており,炭素電極界面に化学吸着した単分子のその場計測までもが可能となってきた.炭素電極表面に電気化学的に吸着させた分子に電気化学的に電位を印加し電子を与えると,分子は電子を受け取る.電子を受け取った分子は不安定となり,分子自身が分子内結合を変化させる(2重結合を1重結合)ことにより,系が安定化する.結果をして,分子内結合を変えた分子は,吸光特性が変わりラマンスペクトルを変化させることとなっていると考えている.超高真空中における炭素表面の解析は一般的であるが,電解液中炭素電極界面における電極反応解析例は非常に稀であり,この超高感度化は当該研究分野の発展に大きく貢献すると考えている.原子・分子レベルでの超微視的な電極界面の電気化学反応解析が電気化学反応を用いたデバイス等への革新的な貢献である電極界面における電気化学的な反応制御へと繋がる潜在的可能性を秘めてと思われる.今後,これまで難しいとされてきた炭素電極界面単分子層の研究をラマン分光法から赤外吸収分光法へと拡張し,この電気化学界面における新規機能の発現へと繋げたい.
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