2006 Fiscal Year Annual Research Report
WGM型ガラス球共振器の高密度光閉じ込めと非線形光素子への応用
Project/Area Number |
18685022
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
早川 知克 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00293746)
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Keywords | 非線形光学ガラス / テルライト系ガラス / 希土類イオン / 非線形光学効果 / Z-scan法 / fsレーザー / ラマンスペクトル / 光閉じ込め |
Research Abstract |
高い光学的非線形光学特性を有するテルライト系ガラスに着目して、3次非線形感受率χ^<(3)>の実部および虚部を精密に測定し、χ^<(3)>材料の組成探索、ガラス微小球作製を行った。検討した組成は76TeO2-20Nb_2O_5-4MO(M=Mg,Ca,Sr,Ba,Zn)であり、異なる2価金属酸化物の効果を調べた。非線形感受率測定方法(Z-scan法)を用いた精密測定から、Re[χ^<(3)>]の値として、6.34×10^<-13>(esu)(M=Mg),1.18×10^<-12>(esu)(M=Ca),1.11×10^<-12>(esu)(M=Sr),1.08×10^<-12>(esu)(M=Ba),1.10×10^<-12>(esu)(M=Zn)の結果が得られた。ラマンスペクトルを測定したところ、M=ZnにおいてもっともTe-O-Te結合割合が多いことが分かった。76TeO_2-20Nb_2O_5-4ZnOガラスの屈折率は2.146、ガラス転移温度は499℃、結晶化温度は576℃であった。さらに、微粉砕したものを縦型管状炉中で自由落下させてガラス微小球化を試み、流速5L/min.,600℃で微小球化が可能であることがわかった。 高密度フォトン場の効果を調べるために、集光したfsレーザー(800nm,170fs,1kHz)を用いて非線形吸収(lm[χ^<(3)>])に関する特性を調べた。今回調べたガラスでは、どれも非線形吸収特性を示し、吸収された光エネルギーがガラスの加熱に使われていることが考えられた。そこで、76TeO_2-20Nb_2O_5-4ZnOガラスにEr^<3+>イオンを添加して、同じfsレーザーを用いf-f遷移に起因する緑色アップコンバージョン蛍光を誘起した。そして、^2H_<11/2>-^4I_<15/2>,^4S_<3/2>-^4I_<15/2>発光強度の強度比からレーザー照射中でのガラス試料温度を見積もる方法を開発した。その結果、集光照射した部分では、150TW/cm^2のエネルギー照射で520Kまで加熱されることが分かった。微小球化したガラス(Er_2O_3添加量:1.5wt%)を用いて共振作用を受けた鋭い蛍光線を確認した。このとき、レーザー光源(新規導入)と顕微鏡(アームシステム新規導入)を組み合わせてガラス球内に励起光を導入した。
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