2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18685023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 毅 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (20304751)
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Keywords | 光物性 / 複合材料・物性 / 表面・界面物 / 応用光学・量子光工学 / 先端機能デバイス / 金属ナノ粒子 / プラズモン / 局在電場 |
Research Abstract |
ナノサイズの金属に光を照射すると発生する表面プラズモンや局在電場は、将来の光工学材料開発の観点はもちろん、基礎科学的観点からも極めて興味深い研究対象である。このような特異な量子光学効果の制御を行うための基礎的知見を得ることを目的として、平成19年度は以下に示す研究を行い、興味深い結果を得た。 クエン酸保護金ナノ粒子コロイド水溶液にヘキサンを加えて二層系を形成し、その液/液界面にメタノールなどの溶媒を添加して金ナノ粒子単粒子膜を作製した。この単粒子膜を自作したリフターを用いてガラス基板に垂直転写し、電子顕微鏡観察を行ったところ、マイクロメートルオーダーを超える広い領域で金ナノ粒子単粒子膜が転写固定されている事が明らかとなった。この単粒子膜を、アルコールなどの溶媒に浸すとナノ粒子間の距離が変化することを見いだした。また、溶媒添加による粒子間の距離変化は基板一単粒子膜間に接着層(チタニア超薄膜・交互積層した荷電ポリマー膜など)を挟む事で抑制できる事を見いだし、ナノ粒子間の距離制御の汎用的手法として有効であることを示した。この金ナノ粒子単粒子膜表面に光励起色素を坦持して光励起効率を評価したところ、金ナノ粒子・ナノ構造に特有の局在電場による色素励起が生じている事が強く示唆される結果を得た。 一方、18年度に確立した手法でクエン酸保護された銀ナノ粒子を作製し、交互積層した荷電ポリマーを接着層として、インジウム-スズ酸化物(ITO)透明電極などの基材に銀ナノ粒子を修飾する事に成功した。銀ナノ粒子の修飾量は、積層プロセスを繰り返す事で増加させることが可能であり、その構造は電子顕微鏡測定やX線光電子スペクトルなどで確認する事が出来た。この銀ナノ粒子修飾電極の光電変換特性を評価したところ、銀ナノ粒子の修飾量に対応して光電流が増大することを見いだした。
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