2006 Fiscal Year Annual Research Report
低次元水和酸化ルテニウムナノ構造体の活性担体機能と電極触媒活性
Project/Area Number |
18685026
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杉本 渉 信州大学, 繊維学部, 助手 (20313843)
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Keywords | 電気化学 / 電極触媒 / 燃料電池 / 層状化合物 / ナノシート / 水和酸化物 / 酸化ルテニウム / 層はく離 |
Research Abstract |
PtRu合金は固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)のアノード触媒として有望視されてるが,貴金属利用率の向上,劣化機構の解明ならびに抑制などが課題である。このような課題に対して,合金触媒や炭素担体に頼らない新概念による設計指針の確立が必要である。本研究課題では,Pt系触媒との無機-無機ナノ複合化により上記課題を解決することを目的とする。触媒活性を有しかつ電気化学的に安定で良好なプロトン・電子混合導電性を有する水和酸化ルテニウムや酸化ルテニウムナノシート等を新規な助触媒ならびに活性担体としての機能について検討し,助触媒効果のメカニズム解明,燃料電池触媒の活性および耐久性の向上を目指す。平成18年度はPtとルテニウム酸ナノシート(HROns)とのナノ複合体を調製し,PEFCやDMFC関連物質(一酸化炭素,メタノールなど)の電解酸化挙動ならびに酸素還元挙動を検討した。 Pt/CとHROnsを複合化したHROns被覆Pt/C触媒のCOならびにメタノールの電解酸化に対する温度依存性を検討した。その結果,HROns被覆Pt/C触媒はPt/CやPtRu/Cとは異なる温度依存性を示すことがわかった。すなわち,HROnsの助触媒効果は低温ではほとんどなく,25度ではHROns被覆Pt/C触媒の活性はPt/Cと活性が同程度であった。一方,60度においてはHROnsの助触媒効果により,Pt/Cよりも高活性が得られた。
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