2008 Fiscal Year Annual Research Report
低次元水和酸化ルテニウムナノ構造体の活性担体機能と電極触媒活性
Project/Area Number |
18685026
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杉本 渉 Shinshu University, 繊維学部, 准教授 (20313843)
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Keywords | 電気化学 / 電極触媒 / 燃料電池 / 層状化合物 / ナノシート / 水和酸化物 / 酸化ルテニウム / 層はく離 |
Research Abstract |
PtRu合金は固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)のアノード触媒として有望視されているが, 貴金属利用率の向上, 劣化機構の解明ならびに抑制などが課題である。本研究課題では, 触媒活性を有し, かつ電気化学的に安定で良好なプロトン・電子混合導電性を有する水和酸化ルテニウムや酸化ルテニウムナノシート等を新規な助触媒ならびに活性担体としての機能について検討し, 助触媒効果のメカニズム解明, 燃料電池触媒の活性および耐久性の向上を目指す。平成20年度はルテニウム酸ナノシート(HROns)の活性担体能を検証するために, チタン酸ナノシート(HTOns)とPtとのナノ複合体を調製し, 触媒活性を検討した。その結果, HTOnsはHROnsに匹敵する耐久性向上効果が認められた。しかしながら, 初期活性は低下する。これはHTOnsがHROnsと比べて電子伝導性が乏しいことに起因すると考えた。また, 触媒活性の温度依存性を検討し, HROnsの反応活性化エネルギーを検討した。比較的高温作動条件ではHROnsはPtRu合金なみの活性を示す。しかしながら, 室温近傍では活性担体効果は得られず, 水の解離吸着が低いことがわかった。これらの結果から, 室温で活性が高い白金リッチPtRu合金と高温で助触媒効果を示すHROnsの組成比を最適化することで, 幅広い運転条件で高活性な電極触媒が得られると考えられる。
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