2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノ集積体による高感度・高速応答フォトニックセンサーの開発
Project/Area Number |
18685027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三ツ石 方也 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (70333903)
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Keywords | 超薄膜 / ナノ材料 / 表面・界面特性 / 超精密計測 / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
本年度の研究では温度や溶媒に対して敏感に応答するpoly(N-isopropylacrylamide)(pNIPAM)を金ナノ粒子と組み合わせることにより、ナノ空間領域でのセンシングを目指した刺激応答性薄膜の作製を目標とした。末端にアミノ基を有する高分子共重合体を金ナノ粒子吸着層として疎水処理をしたガラス基板にLangmuir-Blodgett法により2層累積した。続いてクエン酸還元法により作製した金ナノ粒子水溶液に6時間浸漬することで金ナノ粒子を固体基板上に吸着した。さらにオゾンクリーナーで処理し、金ナノ粒子が吸着していない部分の高分子LB膜を選択的に除去した。除去された部分に原子移動ラジカル重合によりpNIPAMを成長し、ハイブリッドナノ集積体とした。原子間力顕微鏡観察より、ハイブリッドナノ集積体は、分散固定された金ナノ粒子がpNIPAMにうっすらと覆われている状態であることを確認した。このナノ集積体は、水中で20℃から40℃に温度を変化することで、530nm付近の局在表面プラズモン共鳴に由来する吸光度が大きくなり、波長が長波長側にシフトした。このような挙動は可逆的であり、繰り返し応答が可能であった。また、応答速度も秒オーダーと短いものであった。このような現象は、20℃では水中で伸張していたpNIPAM薄膜が40℃では縮小した結果、金ナノ粒子の表面での局所誘電率が変化したため、金ナノ粒子の局在プラズモン共鳴に結果的に影響を及ぼしたことを意味する。興味深いことに、このような挙動にあpNIPAM鎖の最適長さがあることが分かった。ナノ空間の精密集積を行うことで、高速応答かつ高感度なセンサーへの応用展開が可能であることを実証することができた。
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Research Products
(10 results)