2006 Fiscal Year Annual Research Report
バルク多結晶組織アーキテクチュアに向けた結晶成長技術開発と高効率太陽電池への応用
Project/Area Number |
18686001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇佐美 徳隆 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20262107)
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Keywords | シリコンバルク多結晶 / 結晶方位 / 粒界 / 亜粒界 / 太陽電池 |
Research Abstract |
本年度は、シリコンバルク多結晶の融液成長における結晶方位・粒界構造制御因子解明のためのモデル結晶成長実験と、結晶評価装置の整備を行った。モデル結晶成長実験として、複数の単結晶を組み合わせ粒界構造を規定した複合種結晶を利用して、シリコンバルク多結晶を、フローティングゾーン成長、およびブリッジマン成長により成長した。得られた結晶を、成長方向に平行かつ、粒界に垂直に切断し、成長過程における粒界構造の変化を、X線回折法により高角度分解能での評価を行った。成長過程における粒界構造の変化と、種結晶の粒界構造との関係を検討し、粒界構造の制御因子の解明を試みるとともに、粒界構造が粒界の電気的特性に与える影響を調べた。結晶成長に関する知見として、ずれ角を内包する対応粒界は、成長とともにずれ角を減少させ、粒界周囲に亜粒界を形成することを見いだした。この亜粒界形成は、複数の粒界転位の合成により、結晶粒内に転位が放出される過程によることを、透過型電子顕微鏡観察から明らかにした。また、粒界構造の電気的特性と、粒界転位密度との相関を調べることにより、粒界転位が粒界の電気的特性の制御因子であることを見出した。 また、pn接合を形成したバルク多結晶に順バイアスを印加した際の発光像を、高感度CCDカメラによりイメージングする装置を導入し、立ち上げを行った。この装置を利用すると、結晶粒内の電気で気に活性な粒界や、亜粒界では、発光強度が弱いため、黒いコントラストとして視覚化でき、粒界や亜粒界の空間分布を反映した画像を取得できる条件を見出した。
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