2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン共鳴による有機電界効果トランジスターのミクロ評価と特性制御
Project/Area Number |
18686002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丸本 一弘 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50293668)
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Keywords | 有機半導体 / デバイス構造 / 電界効果 / 電子スピン共鳴 / 伝導 / 有機トランジスタ / ミクロ評価 / 電荷キャリア |
Research Abstract |
本研究では、分子レベルで材料評価を行える高感度な手法である電子スピン共鳴(ESR)を、有機低分子を用いた電界効果トランジスタ(FET)に適用し、グレイン内やデバイス界面などにおける有機低分子集合体のミクロ評価を行っている。前年度に引き続き、単結晶FET研究を継続した。ルブレン単結晶を物理気相輸送法により成長させ、シリコン基板上に貼り付けて単結晶FETを作製し、電場誘起ESR測定を行った。今年度は、FET界面を自己組織化単分子膜(SAMs)等により界面修飾したルブレン単結晶FETについても、電場誘起ESR研究を展開した。FET特性評価により、ESR測定用素子としては世界最高の7.7cm^2/Vsの移動度を観測した。この高特性素子を用いて研究を行い、電界注入キャリアのESR観測に成功し、電荷キャリアが全てスピン1/2を持つことを示した。また、この高移動度を反映し、界面未処理試料と比較して、ESR線幅が2-3割減少した。これは電荷キャリアの運動に由来するESR線幅の運動による先鋭化(Motional narrowing)が増強されたためで、電荷トラップ時間の減少による局所的な移動度の向上を反映し、FET移動度の向上とも良く対応する。また、界面未処理試料と同様な、FET界面の分子配向に起因したESR信号の異方性の観測にも成功した。この異方性を解析した結果、界面分子状態がバルク分子状態と異なることが明瞭に示された。この結果は、ヨウ素により極めて微量に化学ドープされたルブレン単結晶のESRの結果とも一致した。よって、ルブレン単結晶の表面分子状態がバルク分子状態と異なることが結論された。上記のようなFET界面のミクロ特性評価はこれまでに例のない世界初のものである。
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Research Products
(33 results)
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[Presentation] Electron spin resonance of rubrene single-crystal transistors2008
Author(s)
N. Arai, K. Marumoto, H. Goto, Y. Tominari, J. Takeya, H. Tan aka, S. Kuroda, T. Kaji, T. Nish ikawa, T. Takenobu and Y. Iwas a
Organizer
International Symposium on Organic Transistors and Functional Interfaces
Place of Presentation
Sendai, Japan
Year and Date
2008-09-20
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