2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン系半導体スピントロニクス・デバイス材料のエピタキシャル成長に関する研究
Project/Area Number |
18686003
|
Research Institution | Kanagawa Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
秋山 賢輔 神奈川県産業技術センター, 電子技術部, 技師 (70426360)
|
Keywords | エピタキシャル / 結晶成長 / 磁性 / スピンエレクトロニクス / シリサイド |
Research Abstract |
半導体スピンエレクトロニクスは"スピン"というこれまで半導体エレクトロニクスの世界には関わってこなかった物理量を積極的に利用するより上位概念のデバイスである.これまでIII-V族やII-VI族化合物半導体をベースとした希薄磁性半導体,強磁性体/半導体ヘテロ構造及びグラニュラー構造での新たなデバイス機能の提案がされている.しかし半導体の主役であるシリコン系材料では未だほとんど検討されていない.本研究ではシリコン上へのスピンエレクトロニクス・デバイスを実現させるための結晶成長技術の確立および,基礎物性を明らかとすることを目的とする. 本申請では, 1)シリコンおよびシリコン系化合物半導体上へのシリサイド磁性薄膜(Fe3Si薄膜)の結晶成長法の確立 2)磁気特性に及ぼす結晶構造および歪の影響を明らかにすることを目的とする. 1年目は結晶成長に及ぼす基板種、基板温度、組成比について研究を行った。その結果以下の結果を得た. 1)MgO、 MgAl_20_4、(Zr_<0.9>Y_<0.1>)0_2、SrTiO_3というSi基板に結晶成長が報告されている酸化物基板、及びSiC半導体基板上に基板温度550-750℃においてFe_3Si薄膜のエピタキシャル成長が可能であった.さらに10-30a%Siの組成範囲でFe_3Siの結晶構造が維持された. 2)磁気特性は作製膜の結晶構造によって大きく異なりエピタキシャル膜の磁気特性はバルクFe_3Siと同様であったものの、多結晶薄膜では飽和磁化および残留磁化が減少し保持力が増大化する傾向を示し格子歪の影響が示唆された.
|