2008 Fiscal Year Annual Research Report
局所的なスピン整列状態の操作-ナノスピンクラフトの試み
Project/Area Number |
18686004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細井 浩貴 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特任助教 (00396334)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 表面・界面物性 / 磁性 / 磁気記録 / スピンエレクトロニクス |
Research Abstract |
局所的な電化(スピン)整列状態の観察・操作を行う混合原子価系遷移金属酸化物表面であるマグネタイト(Fe_30_4)-(001)表面を対象とした研究を引き続き行った。昨年度までに確立した試料作製条件に基づき、非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)測定を行い、マグネタイト(001)表面の原子分解能観察に成功した。得られた原子像の対称性はSTM像とは大きく異なり、単純に酸素原子の配列をイメージングしていないことがわかった。その後、Pintoらの理論計算グループと議を進め、STM像から提案されていた表面構造モデルか異なっている可能性があること、NC-AFM像が単純に表面構造を示すものではなく、電荷(スピン)配列も反映している可能性があることが明らかとなり、NC-AFMとSTM像との詳細な比較が必要であることがわかった。 磁化変調型走査プローブ顕微鏡の開発を続行している。昨年度までに顕在化した不具合の改善がほぼ終了し、顕微鏡本体の基本動作のテストを行い、超高真空・極低温・強磁場印加環境における基本動作の確認を終了した。その後、性能確認のために、極低温・強磁場環境下でのSi(111)-7×7再構成表面のSTM観察を行、si表面の原子分解能観察に成功した。また、同環境下において、Nc-AFM測定を試み、Nc-AFMモードでの基本動作を確認した。これにより、開発中の超高真空極低温走査プローブ顕微鏡の基本動作の確認を終え、その性能を確認することができた。
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