2008 Fiscal Year Annual Research Report
Geエレクトロニクスに向けた低抵抗・超平坦金属/Geコンタクト形成技術
Project/Area Number |
18686005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中塚 理 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (20334998)
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Keywords | ゲルマニウム / 界面 / ジャーマナイド / プロセス技術 / 結晶工学 / ニッケル / コンタクト / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
次世代ULSIにおける高移動度材料の有力候補の一つであるGeを用いたMOSFETに向けて、低抵抗かつ超平坦界面を有する熱的に安定な金属/Geコンタクト構造の開発を目的に研究を推進した。本年度に得られた主な研究成果を以下に記す。 (1) 金属電極形成前の超高真空中熱処理によるGe表面自然酸化膜除去が、金属/n型Ge界面電気伝導に与える影響を調べた。ErやZr等の強還元性金属を室温蒸着した場合、酸化膜除去処理の有無に依らず、界面反応層が生じ、フェルミレベルピニング(FLP)が生じることがわかった。一方、Geとの反応性の乏しいPtを室温蒸着した場合、酸化膜除去処理試料において、少数キャリア注入を示唆する大きな界面リーク電流が観察され、FLB解消による極めて大きなSchottky障壁高さ(SBH)形成の可能性が示唆された。 (2) 金属(Er、Zr)/n型Ge界面へ、アモルファスあるいはエピタキシャルSiなどのSi層挿入を行い、電気伝導特性への影響を調べた。Si層の結晶構造に関わらず、金属の仕事関数に依存しない、0.50〜0.61eVの比較的高いSBHが観測され、FLB解消に対するSi層挿入の効果は見られなかった。Si/Ge界面における欠陥準位などがフェルミレベルピニングの要因であることが推測される。 (3) n型Ge基板上に多結晶またはエピタキシャルMn_5Ge_3層を形成し、界面電気伝導特性を調べた。多結晶Mn_5Ge_3/Ge(001)接合の場合、フェルミレベルピニングに起因する高いSBHが観察された。一方、エピタキシャル/Ge(111)接合の電流-電圧特性からは、0.30eV程度の低いSBHの局所的な領域を流れる電気伝導が示唆され、エピタキシャルジャーマナイド/Ge接合がFLP解消に効果がある可能性が示された。
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