2008 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン共鳴センサーのチップ内高集積配置に関する研究開発
Project/Area Number |
18686006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小貫 哲平 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (70400447)
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Keywords | 表面プラズモンポラリトン / SPRセンサー / フォトニック結晶 / 局在プラズモンポラリトン / センサーチップ / マイクロアレ / 顕微分光 / グレーティングカプラ |
Research Abstract |
開発を進めているフォトニック結晶素子を用いた分光カメラ方式の表面プラズモン共鳴(SPR)センサに合わせた検査チップの製造技術の開発を進めた。SPRによる光の局在増強効果は金属膜の膜質に依存する。特に可視・近赤外域では導電損失が共鳴効果にシビア現れるため、Ag及びCu膜の高品質化を目指した成膜プロセスについて検討を進めた。純度6N〜8Nと超高純度のターゲットを用いたECR-イオンビームスパッタリングによる成膜法を採用し、石英基板上への高品質膜の成膜条件を探索し、最適なイオンビーム条件と基板温度を見出した。その結果、それぞれの膜で従来手法より数10%程度の緩和時間の延長(共鳴効果の増強)、即ち高感度化を実現させることができた。またチップ上への微量検体試料の分注及びチップ上での操作手法の開発も進めた。基板に圧電性基板(LiNbO_3単結晶基板)を用いて表面弾性波(SAW)の放射圧を駆動源とした微量液の操作方法を開発した。基板上櫛歯電極へRFを印加して基板表面にSAWを放射することで、微量流体の高精度な輸送・撹拌及び分離などの機能が得られることを見出した。フッ素系表面処理剤を用いることで、水溶液をはじめ、血液のような高粘性/親油性液体も取り扱うことができた。画像/動画解析からの分析の自動化は完了していないが、以上で局在SPR現象を利用したマルチアレイ化SPRセンサの基本的な枠組みについての開発目標を達成することができた。
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