2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18686007
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
芦原 聡 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (10302621)
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Keywords | 光波制御 / 非線形光学 / 超短光パルス / 超高速分光 / 分子振動 |
Research Abstract |
中赤外波長域において、パルス中の光電場が数周期しか存在しないような短パルス光波の発生とその波形制御技術の開発を目的とした。本研究は、凝縮相における高速な分子振動ダイナミクスの解明や振動波束ダイナミクスの量子制御のための強力なツールを与えるという意味で、その意義は重要である。具体的には以下の三つのトピックについて研究を行った。 1.波長3-4um域での短パルス発生:周期分極反転マグネシウム添加ニオブ酸リチウムを利用した光パラメトリック増幅器を構築し、非常に広帯域な位相整合条件を利用することで、中心波長3.5 um、バンド幅0.7umの中赤外パルスを得た。光電場波形の精密な評価を行うため、中赤外域での周波数分解光ゲート(FROG)計測を行った。シリコン板による二次分散補償により、時間幅<50 fsを実現した。 2.中〜遠赤外域への波長域の拡大:非線形有機結晶DASTを利用した中〜遠赤外域の短パルス発生を行った。フェムト秒光パラメトリック増幅器から得られるシグナル光・アイトラ光をもととし、DASTにおいて差周波混合を行うことで、パルスエネルギー約100 nJの中・遠赤外パルスを発生した。位相整合配置を工夫することで10〜30umの広帯域なスペクトルを得た。 3.自己位相変調効果による中赤外域でのスペクトル広帯域化:波長3-5umの高エネルギー中赤外パルスを種とし、赤外域で透明な非線形光学材料に集光することで自己位相変調を誘起した。半導体材料Germanium, Si, ZnSe, GaAsをそれぞれ利用し、スペクトル広帯域化を観測した。集光条件などを最適化することで、スペクトルの広帯域化(250→1000 cm^<-1>)を実現した。今後は精緻な分散補償による極限的な短パルス化と任意波形制御を行う。
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Research Products
(13 results)