2008 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドバンドギャップ半導体デバイス製作のための高能率化学的加工法
Project/Area Number |
18686014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐野 泰久 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40252598)
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Keywords | SiC / プラズマCVM / 大気圧プラズマ / エッチング / ワイドギャップ半導体 |
Research Abstract |
ワイドバンドギャップ半導体であるSiCは、禁制帯幅が広く、絶縁破壊電界、飽和電子速度、熱伝導度が高い、等の優れた特性を持つため、パワーデバイス、高周波高出力デバイス等の分野では、SiやGaAsといった既存の半導体に比べ高性能なデバイスが実現できると言われている。近年、SiCの結晶作製技術、基板製造技術、デバイス製造技術は飛躍的に進展してきたが、いずれもまだ十分であるとは言えない。特に、その硬度と熱的・化学的安定性のため、有効な加工方法が模索されている。本研究の目的は、SiCデバイスの製造に関わる加工工程に対して、プラズマCVWや触媒援用化学研磨といった新しい加工技術を用い、SiCの高能率・高精度加工を実現することである。本年度は下記の項目を実施した。 1. SiCウエハ全面薄化の検討 : トランジスタのオン抵抗低減のため、デバイス形成後に裏面からウエハを薄化することが有効である。昨年度、長さ25mm、幅5mmのSiCウエハをC面より加工した結果、約40μmまで薄化することに成功している。今年度は円筒型電極と一軸ステージを用いて2インチウエハを全面薄化することを試みた。その結果、ステージ送り速度を最適に制御することで全面均一なエッチング速度が得られることが分かり、実用化の可能性を見出した。しかしながら、エッチング速度の絶対値はまだ実用的な値が得られておらず、引き続き検討を行いたい。 2. 電気特性評価による加工面の評価 : 加工面に電極を蒸着してショットキーバリアダイオード形成することで電気特性を計測し、加工表面層の結晶性を評価した。加工表面と市販研磨研に形成しだでダイオードの特性を比較すると、加工表面に形成した理想係数(n値)の方が市販研磨面に形成したものに比べて理想値に近く、かつそのばらつきも小さいという結果が得られた。
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Research Products
(2 results)