2006 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光を用いた顕微鏡下の生体微小領域の温度測定技術の開発とその応用
Project/Area Number |
18686019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角田 直人 九州大学, 工学研究院, 助教授 (70345437)
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Keywords | 近赤外分光 / 温度測定 / 生体試料 / 顕微鏡 / 非接触 |
Research Abstract |
近赤外用生物顕微鏡と2台の分光器を組み合わせ、試料内の異なる2点の近赤外吸収スペクトルを同時に測定できるシステムを開発した。分岐型光ファイバーの先端を顕微鏡三眼鏡筒の結像面に設置することで、光ファイバーの面配置と同じ試料内位置の透過光スペクトルを得ることができた。1つの測定領域の直径を40um、2つの中心間距離を110 umと設定した。これらの2つの透過光スペクトルは共通の光源および光学系を経ているため、共通する影響因子、例えば光源強度のゆらぎ、溶解成分による光吸収、ガラス表面の反射、温熱環境変化に伴う試料全体の温度変動などによるスペクトル変化をキャンセルできる。そのため、一方をリファレンスとして他方(注目領域)との温度差を測定できた。測定波長範囲は1300nm〜 2200 nmとしたが、この範囲には最大吸光度の異なる2つの水の吸収バンドが存在するため、その2つを使い分けることによって、測定可能な試料厚さを50um〜1000 umと比較的広い範囲とすることができた。先ず純水およびグルコース水溶液の校正実験を行い、重回帰分析もしくはPartial-Least-Squares法により0.1℃程度の予測誤差を得た。次に、試料内部に発熱体を挿入して加熱することで温度分布を形成させ、温度差測定を実施した。2点間の温度差および0.5s以下の高速な温度変化を測定できることを示した。それらの結果については伝熱シミュレーションによっても妥当性を確かめた。
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Research Products
(2 results)