2006 Fiscal Year Annual Research Report
力覚提示機能を有する多自由度鉗子システムによる低侵襲手術の安全性評価
Project/Area Number |
18686023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川嶋 健嗣 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (40300553)
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Keywords | 機械システム / 空気圧 / 手術ロボット / 腹腔鏡手術 / マニピュレータ / 力覚提示 / バイラテラル制御 |
Research Abstract |
力覚提示機能を有する多自由度鉗子システムによる低侵襲手術の安全性評価のために研究を実施し,研究開始初年度に当たる平成18年度に以下の研究成果を挙げた. 1.マスタマニピュレータの設計製作を行なった.パラレルリンク機構を採用し,スレーブ側と自由度は同じであるが異構造とした.マスタマニピュレータでは滅菌洗浄に必要がないことからセンサ等の使用に特に制約はなく,力センサが利用可能であるため,6軸力センサを搭載し,アクチュエータにはACサーボモータを使用した. 2.スレーブマニュピュレータの改良と保持部分の設計製作を実施した.スレーブ側はすべて空気圧駆動とし,鉗子先端部4自由度,保持部3自由度の計7自由度を有するマニピュレータを設計製作した.腹部の挿入部分が機構的に不動点となるに設計し,患者への負担を軽減するシステムを実現した.また,実験によって空気圧シリンダの差圧から鉗子先端の力覚が推定可能であることを実証した.これによって,今までにない滅菌洗浄やメンテナンス性に優れた力覚提示機構を実現した.さらに,マスタ側が電動駆動,スレーブ側が空気圧駆動の本システムの制御方法を検討し,実際に動作実験を行い,良好に動作することを確認した. 3.東京医科歯科大学外科の先生3名に実際にシステムを動作頂き,模擬縫合実験を行った.その結果,マスタ側の操作性,可動範囲は実用上問題ないことを確認した.スレーブ側に関しては,鉗子の挿入角度が直角に近いことから,操作性に難があること,スレーブ側のワイヤ駆動部分の耐久性に問題があることが明らかとなった.次年度にこれらの点を改良予定である.
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