2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子混入による環境負荷の小さなガス絶縁媒体の高耐力化と新機能創出
Project/Area Number |
18686025
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 信也 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 准教授 (60315158)
|
Keywords | 電気絶縁 / ガス絶縁 / ナノ粒子 / 放電現象 / 分光 / 環境技術 / 絶縁診断技術 / SF6代替 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナノ粒子を混入することで、(1)環境負荷の小さい、即ち温暖化係数GWPがほぼゼロである絶縁媒体ガスの絶縁耐力を向上させ、既存のSF6ガス絶縁機器と同等のサイズ・使用圧力で機器を絶縁できるSF6代替ガスを実現し、現在幅広く使用されているガス絶縁機器の脱SF6ガス化による温暖化防止へ貢献すること、および(2)新たな機能を発現・付加すること、等により地球環境に優しく高い信頼性を有するガス絶縁開閉機器を実現することである。 本年度は、主に(1)の課題を検討するために、昨年までに構築した時間空間分解分光ができる部分放電現象観測用電気・光学同期測定システムを用いて、ナノ粒子を混入するベース絶縁媒体ガスおよびナノ粒子を混入したガス絶縁媒体それぞれの基礎絶縁特性ならびに部分放電開始から絶縁破壊までの放電特性をガス種、ガス圧力、印加電圧を変化させて取得、検討した。その際、各フレーミングICCDカメラの光学フィルタを選択的に変えて、分光学的測定により放電状態ならびに発光種の検討を行った。この結果、フィルタの選択に応じて、特徴的な空間分光像を取得できると共に、狭帯域フィルタを用いることで、選択的な分光像が取得できることがわかった。この結果に基づき、今後はベースガスやナノ粒子を混入したガスの放電特性や破壊メカニズムの検討が可能となった。 なお、本研究の成果の一部を担当学生が平成19年度 電気学会電力・エネルギー部門大会で発表したところ、優秀論文発表賞を受賞するなど、本研究に対する外部からの一応の評価を得ている。
|