2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子混入による環境負荷の小さなガス絶縁媒体の高耐力化と新機能創出
Project/Area Number |
18686025
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 信也 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究院, 准教授 (60315158)
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Keywords | 電気絶緑 / ガス絶緑 / ナノ粒子 / 放電現象 / 分光 / 環境技術 / 絶緑診断技術 / SF6代替 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナノ粒子を混入することで、(1) 環境負荷の小さい、即ち温暖化係数GWPがほぼゼロである絶縁媒体ガスの絶縁耐力を向上させ、既存のSF6ガス絶縁機器と同等のサイズ・使用圧力で機器を絶縁できるSF6代替ガスを実現し、現在幅広く使用されているガス絶縁機器の脱SF6ガス化による温暖化防止へ貢献すること、および(2) 新たな機能を発現・付加すること、等により地球環境に優しく高い信頼性を有するガス絶縁開閉機器を実現することである。 そのため、本年度は昨年度に引き続き、これまで構築した時間空間分解分光ができる部分放電現象観測用電気・光学同期測定システムを用いて、ナノ粒子を混入するベース絶縁媒体ガスおよびナノ粒子を混入したガス絶縁媒体それぞれの基礎絶縁特性を検討した。特に今年度は、ナノ粒子混入効果を分光学的に検討できるように、各フレーミングICCDカメラの光学フィルタの選択、および取得画像のノイズ除去・特徴抽出手法を検討した。印加電圧極性による放電形態の変化を分光学的特徴により示すことができた。これらの検討を通じて、微弱な放電発光観測の際、絶縁破壊による強烈な放電発光により高価な光学システムが損傷を受けないような手法や、発光情報をより感度良く取得する手法としてガス中に絶縁耐力を保ちつつ強く発光するガス種を添加する手法を提案した。これらの知見は、混入ナノ粒子の選択にも応用できるものである。なお、本研究の成果の一部を2件、特許出願しているとともに、ガス中へのナノ粒子混入手法を知財化する予定である。今後は、更に研究成果を論文として公表していく予定である。
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