2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長を用いた1次元ナノスピンフォトディテクタの研究
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18686026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 真二郎 Hokkaido University, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 准教授 (50374616)
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Keywords | 有機金属気相成長 / 強磁性体 / III-V族化合物半導体 / ナノクラスタ / スピントロニクス / ヘテロ接合 / 位置制御選択形成 / 自己形成 |
Research Abstract |
トンネル障壁層を有する強磁性体/半導体ヘテロ接合ナノクラスタ(NCs)をSiO_2パターンマスクの開口部にのみ形成する選択成長技術確立を目的とし、本年度は主にGaAs (111) B基板上の形成技術・構造分析・物性評価に関する研究を実施した。MnAs NCsの選択形成で特に鍵となるV/Mn供給ガス比に対する成長方向制御を検討した結果、V/Mn比が比較的低い条件(〜375)下では、成長時間に対し横方向成長が支配的であり、NCsの高さは約180nmで飽和する。一方V/Mn比を増加すると(375→2250)、c軸方向の成長速度が促進され、NCsの高さが増加する(180→300nm)。 MnAs NCsの断面TEM像から、MnAs層上面{00(0)1}面に対し約60度の傾斜を持つ側面ファセット{10(-1)1}面の下部に、垂直な{10(-1)0}面ファセットを確認した。また結晶成長時Ga原料の供給が無い状況下においても、意図しないGaAs層がMnAs層下に形成されることを確認した。観察場所が不適切であった可能性も残されているが、マスク領域外のGaAs表面からの再脱離・再成長によると推察される。さらに磁気力顕微鏡観察の結果、単磁区構造を有する強磁性MnAs NCsを初めて確認した。印加磁場強度(0→2500 Gauss)に依存して単磁区化するNCsの数が増加し、磁化方向も揃う傾向にある。磁化方向はウェハ面内であり、結晶構造分析と良い一致を示した。また確認されたMnAs/GaAsシングルヘテロ接合NCのMnAs層上面に原子ステップは全く確認されず、ヘテロ接合界面も原子レベルで急峻である。電子線回折から従来の自己形成NCs同様、MnAs層はNiAs型六方晶であり、そのc軸は下地GaAs層の[111]B方向と平行であった。
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Research Products
(10 results)