2007 Fiscal Year Annual Research Report
単一ナノ磁性粒子の超高速スイッチングの直接計測とその制御手法の開発
Project/Area Number |
18686027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 聡 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (10292278)
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Keywords | 磁性体 / 磁化反転 / 高密度記録 / スピンダイナミクス |
Research Abstract |
ハードディスク等をはじめとする次世代の超高密度磁気記録媒体の実現には,ナノ磁性体のダイナミクス挙動の解明が不可欠であり,本研究では単一ナノ磁性粒子の超高速ならびに高感度なリアルタイム磁気計測技術の開発および,超高速かつ低磁場反転技術の開発を行うことを目的としている.ここまで,パルス磁場による単一磁性粒子の磁化反転実験において,立上り時間0.4ナノ秒以下かつ3000eの大振幅高速パルス磁場発生装置ならびに残留磁化状態の逐次計測システムの構築に成功し,更にそれを用いた実際の単一ナノ磁性粒子を用いた磁化反転実験を進めている最中である.現在までにナノ秒オーダーのパルス磁場によるスイッチングの確認,さらにパルス振幅に対するスイッチング確率の明瞭な変化を実験的に確認することに成功した.この成果を詳細に解析することにより,サブナノ秒領域での反転核生成の物理的メカニズムの解明を進めている.今後,更にパルス長などに対する依存性を詳細に検討していく予定である.また,高速Hall効果計測系の構築も同時に進めており,ギガHz帯での信号伝送系,高周波アンプ等についての検討を行っている.それらの検討結果をもとに,単一ナノ磁性体の反転ダイナミクスの高感度リアルタイム計測の基礎技術を構築する.最終的には,ここまで進めてきたパルス発生系と融合させることにより,ナノ秒パルス磁場に対するリアルタイム計測を実現し,更に種々の磁化反転モードおよび各種材料について検討する準備を進めている.
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Research Products
(15 results)