2007 Fiscal Year Annual Research Report
顕微SHGおよびラマン分光法による有機FET内部の電界・電荷分布計測
Project/Area Number |
18686029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
間中 孝彰 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (20323800)
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Keywords | キャリア移動度 / 電界分布 / 光第2次高調波発生 / 有機トランジスタ / 時間分解測定 / キャリアトラップ / 顕微測定 |
Research Abstract |
本研究ではデバイス構造下におけるチャネル間ポテンシャルプロファイルの可視化手法を確立し、スペクトル測定法を併用することで、界面を含む有機材料中の空間電荷分布とエネルギー分布を同時に決定することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、顕微SHG法によるチャネル部分の電界分布計測を継続するとともに、冷却CCDカメラを用いたSHGシグナルのイメージングおよび、時間分解測定によるデバイス中におけるキャリア挙動の直接観測を計画した。まず、CCDカメラによるイメージングに関して、イメージング光学系のセットアップを行い、実際に信号を確認することができた。電界計算からそのシステムの解像度を算出すると、約0. 5 um程度となり、光学測定においてほぼ限界に近い解像度を実現している。実際に本手法を用いることで、1um以下の分解能で素子内部の電界分布を計測することが可能となった。引き続き、SHGイメージングシステムに時間分解計測を組み込むことで、素子中電界分布の時間的変化が計測可能となるように拡張した。具体的には、信号発生器からのパルス信号とレーザのパルスを正確に同期させ、このタイミングを変化させることで、時間分解計測を実現している。実際の測定において、有機FETにおけるキャリア挙動(キャリア注入直後のキャリアの動き)を約10nsの分解能で観測することに成功した。このような手法でデバイス中のキャリアの動きを直接的に観測した例は皆無であり、非常にインパクトおよび重要度は高い。
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