2006 Fiscal Year Annual Research Report
導波路光アイソレータモノリシック集積半導体レーザの研究
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18686030
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 大雅 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 特任助教授 (50345170)
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Keywords | 結晶成長 / 高性能レーザー / 磁性 / 先端機能デバイス / 光物性 |
Research Abstract |
導波路光アイソレータモノリシック集積半導体レーザ実現のために、エピタキシャル強磁性金属MnAsとInGaAlAs量子井戸半導体光増幅器導波路を組み合わせたTMモード半導体導波路光アイソレータの高性能化を実現した。エピタキシャル強磁性金属のMnAsを磁気光学電極に用いると多結晶強磁性金属電極に比べ、電気的・熱力学的・磁気光学的特性が改善される。平成18年度はこれらの特長に加え、MnAsの分子線エピタキシャル成長時の第一層目の原子の選択・制御により、MnAs薄膜の保磁力を制御し、外部磁石を外した状態でも動作可能な導波路光アイソレータを実現した。永久磁石によって外部磁場を印加した時に9.3dB/mmであった光アイソレーションが、磁石を外した状態でも8.7dB/mmまで保持されることを観測した。エピタキシャル強磁性金属MnAsは、光エレクトロニクス素子としての光導波路形状への加工法は確立されていなかった。そのため光・バイアス電流共に閉じ込め効果が弱い利得導波構造を採用せざるを得ず、結果として挿入損失が大きいという問題を抱えていた。そこで屈折率導波型の導波路構造への加工法を確立し、光閉じ込め効果がより大きな屈折率導波構造を有するTMモード半導体導波路光アイソレータを作製し、挿入損失を7dBまで低減することに成功した。上部電極であるMnAsエピタキシャル強磁性金属層はドライエッチングによって加工し作製した。縦横のアスペクト比が導波路の光伝搬方向に大きい形状にも関わらず、エピタキシャル単結晶強磁性金属が示す強い結晶磁気異方性により短軸方向に磁化されやすく、非相反損失に基づく半導体導波路光アイソレータの動作に適しているという特長を示した。この素子の光アイソレーションは7.2dB/mm・挿入損失は6.9dBであり、近視野像の評価と自然放出光スペクトルの形状から横単一モード光伝搬であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)