2008 Fiscal Year Annual Research Report
導波路光アイソレータモノリシック集積半導体レーザの研究
Project/Area Number |
18686030
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 大雅 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (50345170)
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Keywords | 結晶成長 / 高性能レーザー / 磁性 / 先端機能デバイス / 光物性 |
Research Abstract |
昨年度までの研究によって半導体・強磁性体ハイブリッド光アイソレータの実証をTransverse Electric(TE)モード、Transverse Magnetic(TM)モードの双方について行ってきた。前者は多くの半導体レーザが動作するTEモードに対応するが、その素子構造は半導体増幅器活性層の側壁が露出した形態のため、活性層の側面における非発光再結合等による増幅効率の低下と素子通電電流の増加が問題である。後者は増幅効率が低下するような問題はないものの、動作する偏波が多くの半導体レーザと整合性がない。我々は上記の二つの問題を解決するエバネセントモードハイブリッド光アイソレータを提案し、その性能を解析した。エバネセントモードハイブリッド光アイソレータの素子構造は従来のTEモード光アイソレータと異なり、半導体光増幅器活性層の上部に導波層を設け、上部導波層の光閉じ込め係数を大きくするように、導波路の幅、及び、上部導波層の厚さを設計する。上部導波層までをエッチングし、一方の側壁に強磁性金属薄膜を配置し、鉛直方向に磁化することによってTEモードに対して光アイソレータ動作を得ることができる。このとき、活性層はエッチングしないため、増幅効率の低下や素子通電電流の増加といった問題は避けることができる。素子を伝搬する光の強度分布をビーム伝搬法によって求めたところ、光の強度分布の中心はInGaAsP上部導波層に存在し、側壁に存在する強磁性金属薄膜に光が染み出していることが確認された。強磁性金属としてFeを選択したところ、消光比は32.0dB/mmと見積もられた。引き続き、エバネセントモードハイブリッド光アイソレータの実証を目指し、そのバイアス電流の低減、量子井戸活性層への光閉じ込め係数の低減を通じた入射光の飽和特性の改良を目指している。
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