2006 Fiscal Year Annual Research Report
キャリアエネルギーフィルタリング構造装荷半導体レーザ
Project/Area Number |
18686031
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮本 智之 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (70282861)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 高性能レーザー / エピタキシャル / 量子井戸 / 半導体物性 / 半導体レーザー / 光情報伝送 / キャリア分布 |
Research Abstract |
長距離通信や光配線等に必要な,半導体レーザの高速動作や高効率化のため,レーザ活性層にキャリアエネルギーフィルタリングを可能とする障壁構造を導入して,キャリアの非熱平衡状態を制御するレーザの実現を目的としている. 平成18年度は,1)トンネル構造とレーザ特性の関係性の理論解析として,まず,これまでに試行製作したレーザの発振特性に見られた,A)大きな光出力の減少,B)類似構造にもかかわらず発振が得られない,を説明可能とするために,障壁のエネルギー透過スペクトルをもとに理論モデルを検討し,注入されるキャリアエネルギーが大きく影響する可能性を示した.また,障壁層を挟んだキャリア蓄積層から発光層へのキャリア遷移を,光学フォノン散乱を考慮した理論解析により遷移速度を解析し,構造の適切な設計により高速遷移が可能であることを明らかにした.2)結晶成長における高品質量子構造形成として,分子ビーム成長法を用いたGaAs基板上のAlGaAs/GaInAsの構造形成の検討を行なった.隣接させる必要があるAlGaAsとGaInAsの結晶成長条件が大きく異なるため,製作条件の詳細な影響の検討を進め,発光特性の向上に必要な基本的な方針を理解した.なお,3)レーザ試作による基礎特性の把握,を目指したが,分子ビーム成長によるレーザ構造の製作は行えたものの,レーザ発振に必要な良好な結晶実現には至らず,発振特性把握にはいっそうの結晶特性向上が必要であることを確認した.
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Research Products
(2 results)