2008 Fiscal Year Annual Research Report
MIMO-UWB-IR通信システムにおける移動体の高精度位置検出
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18686033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 寿彦 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70301934)
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Keywords | UWB / MIMO / 位置検出 / ITS / 歩車間通信 |
Research Abstract |
本年度は主に以下の3つの項目について研究を行った。 1. UWB(超広帯域)アンテナを送受信双方に設置したMIMO(他入力他出力)システムにおいて、多くのマルチパス散乱が存在する環境を想定した場合の周波数領域でのチャネル推定法を考案した。この手法は、周波数領域等化を考慮した際に、繰り返し手法を用いることで推定精度を向上させるものである。計算機シミュレーションの結果、繰り返し回数が特性に大きな影響を及ぼすことが分かった。また、計算負荷を低減し、実装時の回路規模を小さくできることを示した。 2. 円筒状にアンテナ素子を配置し、高分解能信号到来方向推定法であるSAGEアルゴリズムを用いて、方位方向および仰角方向を高精度に検出する。具体的には、初めにROOT-MUSIC法を用いて到来方向の粗推定を行い、つぎに、2次元サーチを、2回の1次元サーチに分解することでSAGEアルゴリズムを適用させ、計算負荷を低減させたうえで精度の高い手法について提案した。 3. 一般に、2つの端末が方位角的に近接している場合、受信側でその到来方向を分離するためには、SN(信号対雑音)比が十分大きいか、ある程度時間をかけて信号を観測しなければならない。そこで、UWB信号を用いて、周波数領域の信号を狭帯域条件が満たされる範囲で切り出し、スナップショット数を稼くことにより、低SN比で短い観測時間でも到来方向推定が可能となるようにした。特に、その範囲を周波数の低いもの、中程度のもの、高い周波数のものに分割し、低い周波数からMUSIC法を適用していくことで、比較適容易に近接して到来する2波を分離することを可能にした。
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Research Products
(3 results)