2006 Fiscal Year Annual Research Report
アレイUT技術と逆散乱解析の融合による高速・高精度欠陥画像化システムの開発
Project/Area Number |
18686038
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中畑 和之 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (20380256)
|
Keywords | フェーズドアレイ探触子 / 逆散乱解析 / 欠陥可視化 / 超音波 / 境界要素法 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
非破壊検査用のアレイ探触子の効率的な利用を目的として,金属材料中に存在する欠陥からのエコー(フルウエーブ)を基に欠陥形状を再構成する逆散乱イメージング技術の開発を行った.本手法は,周波数域開口合成法(SAFT)の画像再構成原理を線形化逆散乱解析法に応用したものであり,逆解析のコードに高速フーリエ変換(FFT)を用いることによって高速イメージングが実現できる.本年度は,逆散乱イメージングの精度検証と,アレイ探傷器へ実装するための基礎的検討を行った. 1.アレイ探触子による超音波の放射音場が予測できれば,効率的なイメージングが可能となる.本年度は,多重極境界要素法をベースにした超音波伝搬のための数値解析法を開発し,超音波を任意の方向に送信するために必要な素子の配置パターン,励振時の遅延に関する検討を行った.この基礎データの結果を基に,研究協力者である日立製作所・河野尚幸研究員と共に,イメージング法のためのアレイ探傷器の設計・製作を行った. 2.上記で開発した数値解析法を用いて,逆散乱イメージング技術のシミュレーションを行った.この結果,アレイ探触子を被検体の片側表面に置いた場合,探触子を設置した側の欠陥形状が再構成されることを示した.また,対象とする欠陥寸法と同程度の波長の超音波を送信すればよく,必要以上に高周波域の超音波を用いることなく欠陥像の再構成が可能であることがわかった.また,欠陥がアレイ探触子の近傍にある場合,超音波が欠陥に到達する際の音場が複雑であるために,画像化の精度が低下する恐れのあることがわかった.しかしながら,超音波の送信回数を増加させて欠陥からの散乱波データを多く集めれば,欠陥像の分解能は改善されることを示した.
|
Research Products
(6 results)