2007 Fiscal Year Annual Research Report
汚染物質のコロイド形態による土壌内移動と運命予測の解明
Project/Area Number |
18686039
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川本 健 Saitama University, 理工学研究科, 准教授 (50292644)
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Keywords | 土壌汚染 / コロイド / 吸着 / 移流分散 / 土壌撥水性 |
Research Abstract |
本研究では、汚染物質の土壌コロイド(粒径<1μm)吸着形態での土壌内移動と運命予測の解明を目的とし、今年度は室内カラム実験を行い,コロイド粒子の土壌内移動のモデル化の検討を中心に行った。また,試料として用いた黒ボク土の物理化学的性質の解明の一環として,溶質拡散係数の実測と土壌撥水性評価も行った。 1.土壌コロイドの砂層カラム内での移動メカニズムの解明とモデル化 黒ボク土から抽出した土壌コロイド(粒径<1μm),ならびに,粒径が1-10μmのガラスビーズコロイドを用いて,砂層カラムを用いたカラム実験を行い,コロイド粒子の流出挙動およびカラム内でのコロイド付着分布を調べた。そして,数値解析を用いて実験結果を検討したころ,両コロイドともに,一次反応吸着・脱離係数および一次反応捕捉(straining)係数を組み込んだ移流拡散方程式でコロイド流出・付着挙動を比較的上手く再現できることが明らかとなった。さらに,両コロイドの砂層への付着は,一次反応捕捉係数の大きさの違いとして表現された。しかし,ガラスビーズコロイドではカラム内でのコロイド付着分布をよく再現できたものの,土壌コロイドでは上手く再現できなかった。 2.黒ボク土における溶質拡散係数の実測 溶存態イオンの土壌内拡散現象を支配するパラメータである溶質拡散係数を,これまでに報告例の極めて少ない黒ボク土を対象に測定した。その結果,黒ボク土の溶質拡散係数は,土壌水分量変化にともない,試料の団粒構造および間隙構造に強く影響を受けることが明らかとなった。 3.黒ボク土の撥水性評価 土壌水分量を変化させた黒ボク土を用いて,エタノール滴下試験を行い,土壌撥水性の定量的評価を行った。その結果,撥水性曲線(表面張力-土壌水分量の関係)における各撥水性パラメータと土壌有機炭素量(SOC)との関係を明らかにした。
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Research Products
(13 results)