2007 Fiscal Year Annual Research Report
可変摩擦ダンパーとMRダンパーによる複合型セミアクティブ制振に関する研究
Project/Area Number |
18686046
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
菅野 秀人 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 助教 (20336449)
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Keywords | 制振 / 建築構造 / 機能材料 / 磁性 |
Research Abstract |
前年度までの成果を踏まえ,既往技術より合理的な建物の地震応答制御として,制震デバイスであるダンパーと建物の架構を繋ぐダンパー支持部材の負担軽減と,建物高さ方向の応答分布の均一化を図ることを制御の目標とした。平成19年度は,ダンパー部分の減衰力とダンパー支持部材変形の関係を整理するため,制御による減衰力の履歴形状から等価線形化法を用いて制御システムの性能曲線を算出した。この結果,パッシブダンパーやエネルギー応答量に比例したセミアクティブ制御の場合,ダンパーの減衰力(制御力)が支持部材の剛性に対して過度に大きくした場合に,最大応答の増大を招くことを確認した。一方,これまで検討を行ってきた制御則に履歴形状制御を加えた制御則(本研究ではEFH制御と呼ぶ)では,制御力を増大させても応答の増大がほとんど見られない結果となった。このことについてさらに詳細な検討として,模擬波,観測波を用いた時刻歴応答解析,鉄骨造1層フレーム模型を用いた振動台実験を行った結果,EFH制御では,ダンパー部分の減衰力により生じる支持部材の負担力を適宜除荷していることにより,常にダンパー部分で大きなエネルギー消費を行わせることが可能であることが分かった。しかし,これを可変粘性ダンパーのみで実現するよりも,ここに本研究で提案する可変摩擦ダンパーを導入し,支持部材の負担力を緩和させる制御を行う方が合理的な振動制御に有用であることが分かった。
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