2007 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ガリウム用電極開発を行うための金属/窒化ガリウム界面の電位分布直視技術の開発
Project/Area Number |
18686051
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
加藤 丈晴 Japan Fine Ceramics Center, ナノ構造研究所, 研究員 (90399600)
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Keywords | 電子線ホログラフィー / ショットキー障壁 / 電位分布 / 金属 / 半導体界面 / FIB / 位相 |
Research Abstract |
金属/半導体界面の電位分布を解析するために,モデル材として,N型シリコン上にチタンを成膜し,数100℃の熱処理を行ったサンプルを用いた。このサンプルを集束イオンビーム(FIB)-マイクロサンプリング法により適切な試料厚さの透過型電子顕微鏡(TEM)観察試料に仕上げた。このTEM観察試料の金属/半導体界面に順バイアスおよび逆バイアス電圧を印加できるように,TEM用の電圧印加ホルダーステージにサンプルを固定し,FIB装置内部でφ5μmのAuワイヤーを用いて配線を行った。以上のように準備されたサンプルについて,電圧印加無し,順バイアス電圧印加,逆バイアス電圧印加の3つの条件で,電子線ホログラフィーにより金属界面近傍における半導体内部の位相変化から,電位分布状態を詳細に評価した。電圧印加無しの状態と,順バイアス電圧印加の状態では,半導体内部における位相差をほとんど検出できなかったことから,順バイアスによる電位分布変化をとらえることができなかった。しかしながら,逆バイアスを印加した場合,大きな位相変化が現れたため,半導体内部の電位分布の変化をとらえることができた。これは逆バイアスを印加することにより,金属界面近傍における半導体内部の空乏層が拡がった結果と考えられる。順バイアスでは空乏層幅が小さくなるが,今回,その変化を詳細にとらえることができなかった。これらの結果を定量的に評価するため,H20年度はTEM観察の対象となる局所領域において,金属/半導体界面の電流一電圧特性を評価し,電気的特性と電圧印加による空乏層幅の変化について,その関連を明らかにしたい。さらに窒化ガリウムに電極が形成されたサンプルについても,同様な電流一電圧特性評価と,電圧印加(順バイアスおよび逆バイアス)による窒化ガリウム内部の電位分布解析へ応用したい。
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